7月12日(火)

あるところに、ひとりぼっち、はいた。

ひとりぼっちは、ことばをしらなかった。ことばがあることも、しらなかった。

でも、そんなにこまらなかった。ひとりぼっちは、こまらない。

 

ひとりぼっちは、まぶしくなると、おきた。

おなかのあたりがものたりなくなると、あかくてまるいものを、木からとって口にいれた。しゃりしゃりするし、なんだかきぶんがいい。

 

ひとりぼっちは、ひとりぼっちなことを、しらなかった。

だから、かなしくもないし、さみしくもなかった。

でも、ときどき、なにかを手ににぎっていたくなる夜があって、

そういうときは、森にはえているきのこをにぎってねた。

あさおきると、どっちでもよくなって、そのへんにほうった。

 

 

つづく